オフグリッド

 スマートグリッドについて紹介しておきながら、オフグリッドについてかくのも気が引けるのだが、実際にもっともスマートグリッドの普及がんでいる米国で、その動きが顕著なのも確かだ。


 オフグリッド生活のイメージは電力会社と契約せずに、自分で発電し電力をまかなうもので、大型パネルが設置できる場合を除いては、電気器具を使わない節電と組み合わせるもので、どう言い訳しようとも電気の使用を極端に制限した生活は惨めなものに写る。特に戦時中の生活を体験しない世代にとっては、朝起きてから寝るまで電気のない生活は考えられないだろう。

 米国のオフグリッド実践者たちは、70年代のヒッピー文化とは異なり、必要最小限の機器、たとえば冷蔵庫や情報機器については制限を考えずに使えることが基本だ。

 そもそも何故、(マクロ的には)効率が良いはずのスマートグリッドを敬遠するのだろうか。ひとつにはスマートグリッドにすべて依存する危険性と、制御という名の下に監視下に置かれることへの反発であろう。スマートグリッドは契約すると電力会社が有償でパワーコントローラを設置して、電力制御をミクロ的に行うことで全体の消費を抑えようというものであるが、そのためには個人の電力消費を監視することが前提となる。これはまさに電力ビッグデータというもので、個人が使用している電気器具、場合によってはメーカー、消費電力などがリアルタイムで電力会社が把握していることになる。

 これが徹底した個人主義の米国では我慢がならないのだろう。NSAの昨今の盗聴疑惑が疑惑に拍車をかけた。スマートグリッドが盗聴に使われる恐れがある、というのである。これは確かに一理あって最近、中国産の情報機器のCPUにいわゆる情報流出のためのバックドアがみつかっているし、各国首脳の携帯電話がNSAによって盗聴されている可能性は高いだろう。

 次にグリッドが電力会社の制御システムへのハッカー攻撃やEMP攻撃によって遮断される危機が考えられ、実際、電力会社へのテロリスト攻撃の計画があった。もし仮にグリッドが遮断されたらどうなるのか。長時間の停電で何が起こるかは電力が安定な日本では予想できないが、たとえば銀行ATMが使えなくなるのでお金が引き出せない、交通機関、情報網をはじめ電気を利用するすべてのライフラインが使えなくなる。暴動の発生や略奪など、日本では想像すらできないことが起こるので自衛手段を講じなくてはならない。それがオフグリッドである。

 スマートグリッドは便利な反面、これに依存する国民を自由に操れるのだ。オフグリッドを快適に過ごすにはしかし、多少の工夫と設備が必要である。今回はもっとも一般的な発電機器であるソーラーパネルの中でも、小規模で携帯性の高いものをいくつか紹介したい。

 太陽電池パネルは携帯充電用の小型のものが多く市販されているが、たいていはシリコン単結晶のものである。ガラ携は良いとしてもスマホ充電には急速充電が必要で充電器を経由するにしても、小さなパネルでは充電に数日かかるのでは実用的でない。

 小型のソーラーパネルで実用的なものはシリコン単結晶の7Wくらいからであろう。GOAL ZEROという会社の7WNormadはもっとも普及しているもので、Normadシリーズは13Wのものがあり、それ以上は15WBoulder、30WBoulderがあるが、スマホ充電にはこれくらいで十分である。また折りたたんで携帯に便利なフイルムタイプのソーラーパネルはPowerFilmの製品がある。筆者は14W(7W+7W)のANKERの製品を使っているが、東側のベランダにおくと3時間でiphoneとガラ携が同時に100%充電できる。晴れた日にバッテリをフル充電しておくと、2-3日曇りの日が続いても少なくとも情報機器はオフグリッド達成である。ちなみにエネループ単三は4個づつ2組が同時充電できるので2日で家中の30本くらいは完全充電できた。エネループもオフグリッド達成。

 次のレベルは倍の30W以上だがこれにはバッテリーとACコンバータを組み合わせよう。少しづつ大型化していくのが楽しみだ。

 

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