原子力事故を知らせる緊急避難放送(Jアラート)について

北朝鮮問題がこじれて米朝の緊張関係が一段と高まり、最悪の場合に日本が核攻撃にさらされるリスクがないとはいえなくなった。考えたくもない事態であるが核兵器着弾を含む原子力緊急避難放送はどのように発信されるのか。

 

緊急放送の元祖はEmergency Alert System

米国の原子力規制委員会(NRC)が定める「原子力緊急事態」よると原子力の緊急事態とは、原子炉事故と核兵器攻撃のふたつである。この場合、サイレン、ラジオ放送、緊急情報伝達、公共放送によって警告が発せられる。米国の場合はEmergency Alert Systemとなる。

 

Jアラート(全国瞬時警報システム)について

日本においてはJアラート(全国瞬時警報システム)が消防庁管轄で2007年度から稼働している。Jアラートでは弾道ミサイル着弾、津波、緊急地震速報など緊急性を必要とする情報を人工衛星経由(注1)で送信し、自治体の防災行政無線で自動放送を行うシステムである。2014年には全自治体にJアラート受信システムが整備され、同年から携帯キャリアは緊急速報メールを送信することとなった。

(注1)SUPERBIRD B2(スカパーJSAT株式会社)。受信機器は理経より販売されている。

 

米国のNRCでは緊急時の避難指令は自治体(州政府)から出されるので、その指示に従うとしている。ここで注目されるのは「原子力事故では避難が必ずしも最良の身を守る手段ではない」と念を押していること。風向きによっては避難がより悪い結果に繋がる可能性を認めている。また避難の目安は事故地点から16km以内としている。

 

Jアラートを聞いたら

まず全ての原子力緊急事態について言えることは、パニックにならないで落ち着いてまず何が起きているのかを知ることが最も重要である。核攻撃にあった場合には被爆を避けるためにコンクリートの建物内(地下)に避難し、放射能汚染のあった衣類を脱いで体を洗浄することが推奨されている。ただし核弾頭が着弾すればこのような避難行動が意味をなすのは、爆心地から相当離れた場所に限られる。それでも閃光を見た時点で床に伏せ、遮蔽物に身を隠すことで熱風とガラス片から身を守れる。閃光を直視してはいけない。Jアラートでミサイル着弾の警報を受け取る事態はないことを願うが、もしもの場合に原子炉事故や核兵器攻撃を受けても最低限の知識で最悪のケースを回避できるかもしれない。

原子力緊急事態の対処についてはカナダ英国の資料が詳しい。日本では内閣官房国民保護ポータルサイトがJアラートについて説明している。普段はこの情報を確認することはない人が多いかもしれないが、頭の隅に置いておくだけでパニックにならないで済む。

放射線防護の基本は普段から知識を身につけ、事故が起きても冷静に対処することである。その放射線に原子力以外の場合もあることも知っておかなければならない。

 

 

 

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