リング・オブ・ファイヤーと地震の関係

九州大地震(仮称)で一気に5年前の大地震の記憶が蘇った人も多いのではないだろうか。このコラムで地震を取り上げる理由は福島第一の事故を想起すれば容易に理解できる。原子炉のリスクである。幸いに原発に影響を与えることがなかったとはいえ頻発する地震で活断層に近い原発の安全性が再燃しそうである。

 

今回の熊本の地震は「布田川断層帯」という活断層の北東部がずれ動いたことで起きたとされるが、グローバルに現在起きている地震を眺めると日本だけで地震活動が活発なのではなく、太平洋プレートの境界にあたる「リング・オブ・ファイヤー」との関係が浮き彫りになる。

 

IRIS地震情報

世界の地震に関するリアルタイム情報はIRIS(Incorporated Research Institute for Seismology)が運営するサイト(http://ds.iris.edu/seismon/) で得ることができる。過去15年間の地震発生地域(下図のピンクで表示されたもの)をよく見て欲しい。その下に示した火山活動のマップ「リング・オブ・ファイヤー」と良く一致する。つまり地震と火山は太平洋プレート境界の活断層付近に数中しているということで、九州地震に対応して太平洋を挟んで反対側に位置する南米エクアドルでもM7以上の地震が17日に起きている(IRISマップでは赤い丸で表示されている)。

 

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Credit: IRIS

 

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Credit: Engwell wiki

 

リング・オブ・ファイヤー

海外のメデイアが今回の九州地震の報道で警戒感を強めているのは、4月13日に起きたM6.9ミャンマー地震と17日のM7.7エクアドル地震を含めた「リング・オブ・ファイヤー」の不安定化である。

地震研究者は2016年に入ってから南アジアと太平洋岸で観測された地震回数が急激に増加していることを認めた。2015年のネパールでは多発地震で被害が拡大したからである。実際、コロラド大学の研究チームはM8.0クラスのより大きな地震が最低でも4回起こると予測している。

問題は地震が起こらなければ歪みエネルギーがさらに蓄積されより大きい地震を引き起こすことである。

九州地震の後、フイリッピンのミンダナオをM5.9の地震が襲った。また15日にはバヌアツでM6.0地震が観測されたが、一週間前にM6.4地震を観測したばかりであった。2月22日にM5,5の地震があったネパールで九州地震の1週間前4月8日にM5.5地震が観測されていた。中国内陸部で1月20日にM6.1地震がありその2週間前にはインドでM6.7地震があった。

 

つまり「リング・オブ・ファイヤー」でつながった活断層に沿って一定の時間差で連続して地震が起こることを警戒すべきなのである。国内の地震研究者の多くは九州地震の規模が中央構造線に沿った地震を引き起こすほど大きくないことを「起き得ない」というニュアンスで表現している。しかし海外では「起きるかもしれない」という注意を払っている。我々は311で多くのことを学んだはずだったのではないか。「起きるはずはない」シビアアクシデンント。100万分の1の確率でも起き得ることを学んだのであれば、危機に備える準備をしておく必要があるのではないだろうか。

 

「想定外」という事後の言い訳は二度と聞きたくないのではないか。事故は起きる、地震は起こるということを念頭に置くべきだ。地震の多いカリフォルニア州のスタンフォード大学にある世界最長の直線加速器SLACでは昔、猿を飼育し行動を観察していた。猿が異常を察知し地震予知ができると真面目に考えたらしい。日本ならさしずめナマズだろうが、飼育して観察するところまではいかなくとも、危険を避けることに気を使う必要があるのではないか。

 

 

 

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