人間活動による大洋汚染の広がりを可視化

人間活動は都市部に限らず海洋を汚染し続けているが、このほどX線マッピンングで最近の5年間の大洋の汚染度を調べた研究で、大洋の2/3以上が人間の活動によって汚染されていることが明らかになった(Nature Comm. 6, 7615 (2015))。

 

海洋変化には人口増加で海岸付近の人間活動が増大したことによる効果に加えて海洋表面温度上昇、酸性度増加、紫外線量の増加など様々な要因の結果であるが、いずれも気象変動に関係するが、多くは人間活動によるものである。

研究では大洋汚染を19の要因に分けてそれらが総合して与える影響度を色分けして世界地図に重ねた。

 

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Credit Nature Comm.

 

漁業活動は10%以下の増加率で239EEZ(排他的経済水域)のうち40で増加しているのみなので漁獲量の大きな変化はない。注目すべき点は大洋の97.7%の変化は複数の要因の重なった効果であること。海洋の分布ではシンガポール、ヨルダン、スロバニア、ボスニアの沿岸が深刻で、逆に環境変化が少ないのはファロー諸島、東カリブ海、ベルデ岬とアゾーレ諸島である。

人間活動の少ないことで汚染が少ないのは極地と考えやすいが、特定の地域(ジャーミッシュ島、パルミラサンゴ礁、キリバチ、アルゼンチン沖合と大西洋北東など環境保全が厳しい地域では汚染が少ないことに注意すべきだ。

海洋汚染の要因の間には相関があるので、それらが相乗的に働く場合が多い地域では対策を単純に導き出せない。この研究には含まれていないがもちろん福島第一由来の核汚染の広がりは大洋の過半数に及ぶ。大洋汚染の広がりをなくすことはできないが、今後の汚染を要因ごとに対策を講じていく必要があることがあきらかである。

 

別の研究によればCO2が溶け込むことによる酸性度上昇の問題に関連して、海水中の酸素濃度が最近50年間で2%減少したという。今回の研究でも人間活動と表現したなかでも大気のCO2放出で酸性化と酸素濃度減少で海洋生物の生息に深刻な影響を与えつつある。地球温暖化ではなく大洋汚染の観点で削減目標を見直すべき時期にきたようだ。

 

 

 

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