意外と簡単だった旧電力との決別

東電の送電事業のサービスに不満があるわけではないが、発電事業に関しては原発事故処理について不満がある、という人は多いのではないだろうか。電力自由化になっても新電力会社への変更は低調で電力に関する保守性と慣性の大きさを感じる。

 

火力発電事業による電力とガス供給をまとめて一社(大手都市ガス会社)にエネルギーを一括して任せることにした。セット割引でのエネルギー価格も魅力だが、コストと一切関係ない倫理上の問題で東電と決別したいと思っていたこともある。都市ガス会社にもしかし、築地移転問題を巡る疑惑が生じていてクリーンなイメージが損なわれているのだが、新電力への興味でまずは旧電力に別れを告げることにした。

面倒と思い込んでいた電力事業者の切り替えは勝手な想像に過ぎなかった。旧電力との契約解除の必要は不要で、手続きはごく簡単である。筆者の条件は40A契約で月間の使用量は〜500kWh、いわゆる3段目料金で13,000円程度という平均的な数値で変更契約時に年間でほぼ9000円程度の節約になると説明されたが、実際にどうなるのかは1年後までわからない。(期待はしていない。)戸建・集合住宅に寄らないのはスマートメーターのおかげで、これがないと簡単にはいかなかった。ただし旧電力の請求血分けに相当する情報を知るにはネットで使用状況を確認しなければならない。

話が逸れたがガス会社がどのようにして発電し、送電しているのかについて興味が湧い他ので少し調べてみた。東京ガスを例に同社の資料で簡単に説明する。

 

コンバインドサイクル発電

東京ガスは電力事業にすでに60万家庭の実績を持つ。実態は発電を火力で行い送電事業を東電に委託している。真の電力自由化は送発電事業の分離で初めて本格化するので、「旧電力と決別する」と行っても発電事業のみ燃料を選択できただけである。また住んでいる地域の原発が再稼働しているわけではないので、「燃料を選択した」といっても、旧電力と本質的な意味はない。

東京ガスの電力事業は2015年6月に川崎天然ガス発電所3,4号機の増設で55万kW2基が2012年から稼働することで、本格化するが現在でも湾岸地域に4箇所のコンバインドサイクル火力発電所が稼働している。といっても現在の東京ガスの発電事業規模は130万kWでしかない。2020年度に300万kW体制になるとしている。

 

注目すべきは電力販売が現在の100億kWhから2010年度に3倍となり、都市部の電力の10%を供給に達する点である。現在の新電力比率からすれば10%桁台というのは、発電事業の競合時代の訪れを予見させる。

発電方式にしようしているガスコンバインドサイクル発電はガスタービンを動力としたコンバインドサイクル発電で、排気ガスから回収される熱を回収して発電に用いるため、エネルギー効率(50%以上)と高い。また起動・停止が迅速であるので、複数台を設置しておけば需要に応じて発電量を最適にすることができる。大手電力会社もそのため新設の火力発所に採用が相次いでいる。

型式や規模に差があるが中部電力が名古屋火力発電所に建設中の7号系列は2基で出力237.6万kWとなる。原発停止の穴埋めとなった石炭・重油を燃料とした旧型の発電設備は、順次コンバインドサイクル発電に置き換わっているが、中でもコストと環境性能で燃料を液化ガスが好ましい。

 

液化ガスの輸入先は意外と知られていない。天然ガスといえば中東というイメージがあるが、輸入先は分散化していて、オーストラリア(23%)、マレーシア(19%)、カタール(16%)が過半数を占めるが、残りはロシア、インドネシア、UAE、ブルネイ、パプアニューギニア、ナイジェリアと広い地域に分散してリスクの分散になっている。カタール、UAE以外は中東の危険海域を回避していることに注意したい。液化ガスを世界中から購入しエネルギー輸入度が高い点は問題解決になっていない。しかし新型原子炉の置き換えかえも難しく再生可能エネルギー率が遅いならクリーンな火力を有効に使うことは現実的なのかもしれない。

なおコンバインドサイクル発電には石炭をガス化するIGCCや超高温原子炉も含まれる。2大ベース電源である火力と原子力に共通の問題であるエネルギー効率化にコンバインドサイクル発電は現実的なソルーションとなりつつある。

 

 

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